留学をする上で知っておきたいマルタの英語事情
「マルタの公用語は英語」というのは知っていても、実際にマルタの英語ってどんな感じなのか気になりますよね。
「訛りはあるの?」
「そもそも英語以外にも公用語はあるの?」
そんな疑問に、実際にマルタで英語留学を経験した私が「ありのまま」にお伝えしていきます。マルタで英語留学をする上での英語事情を徹底的に解説します!
【マルタの留学の費用については、こちらの記事で詳しくご紹介しています♪】
公用語はマルタ語と英語
マルタは、古くはフェニキア人やローマ帝国やアラブ、そして近代ではフランスやイタリア、イギリスなどに支配をされていた歴史があります。
そして1964年にイギリスから独立し、1974年に共和制が導入され、現在の「マルタ共和国」となりました。こう見ると独立してからまだそこまで時間が経っていないことが分かりますよね。
現在のマルタの公用語は「マルタ語」と「英語」です。
マルタ語は50%がアラビア語と言われていて、非常にアラビア語に近い言語だそうです。他にもフランス語やイタリア語の影響も受けていて、マルタ語で「おはよう」は「Bongu(ボンジュ)」で、「ありがとう」は「Grazzi(グラッチ)」です。
また、使われる文字はアラビア文字ではなく、少し変わったアルファベットが使われています。その点ではアラビア語とは異なりますが、耳で聞くとお互い結構理解ができるとのことです。
マルタ内での表記は、基本的には英語とマルタ語が併記されていますので、英語が理解できれば問題なく暮らせます。
ただ、スーパーで売っている商品はEU各国(特にイタリア)からの輸入品が多いので、パッケージは英語表記じゃないことが多いです…笑
これぞバイリンガル!マルタ人の言語の使い分けはすごい♡
マルタ人は家族間ではマルタ語を話すことが多く、母語として認識している人も多いと思います。それと同時に英語は学校等で使うことが多く、英語もやはり不自由なくネイティブとして使いこなしています。
私が見てきた中では、マルタ人同士ではマルタ語を使っているという印象があります。
マルタ人同士の会話を聞いていると、マルタ語かと思いきや急に英語の単語が出てきたり、英語を話していたと思ったら気が付いたらマルタ語に切り替わっていたりと、本当に面白いです!
もちろん両親がマルタ人ではなく、どちらかがイギリス人だったりその他の国というケースも結構多いので、それによって家庭でマルタ語を使うかどうかが決まってくるようです。
さらに、以前はマルタではイタリアのテレビを中心に見ていたという理由から、その世代で育った人たちはイタリア語も理解できる人が多いです。話すのは少し苦手だけど、理解はできるという話をよく聞きます。
ちなみに、マルタのローカルテレビは全てマルタ語です…笑
つまり、マルタ人はマルタ語と英語を両方使い分けながら、さらにイタリア語も理解できたり、両親のルーツによってはまた別の言語が話せたりします。
日本人からすると驚きの言語センスですよね!でもこれもその国の環境なんだなと思います。私は、日本人が言語を習得する中で、マルタ人の言語の習得過程には学べることがあるような気がしています。
アメリカ英語ではなくイギリス英語が中心
マルタで使われる英語は、イギリス英語がベースです。歴史から見てもイギリス領だったので納得ですよね。
日本で学ぶ英語はアメリカ英語がメインなので、実際に少し戸惑うことが私も結構ありました。
日本語としても定着している英語は、実はアメリカ英語のことが多いのです。
例えば…
エレベーターは、アメリカ英語では「elevator」、イギリス英語では「lift」
ドラッグストアは、アメリカ英語では「drug store」、イギリス英語では「pharmacy」
サッカーは、アメリカ英語では「soccer」、イギリス英語では「football」
どれも普段日本語でも言い慣れているので、気が付いたらアメリカ英語を口にしてしまうということがよくありました。
また、建物の1階はアメリカでは「first floor」ですが、マルタでは「ground floor」となります。そして、建物の2階を「first floor」と言います。
最初は「ん?」と少し混乱するかもしれませんが、徐々に慣れて来ると思います。
ちなみに、「lift(エレベーター)」のボタンには「ground floor(実質の1階)」は、数字の「0」か「G」と表記されています。
【留学前の英語学習は大切!おすすめの勉強方法はこちらの記事で紹介しています♪】
マルタ英語って?訛りはあるの?
結論から言いますと、マルタ英語には訛りがあります!
これはマルタに限らず、どこの国にもそれぞれ独特な英語があるのと同じです。オーストラリア英語は訛りがあるとよく聞きますよね。
マルタ英語は、やはりマルタ語の影響を受けた発音になっているように感じます。「R」の発音が強かったり、抑揚が激しめだったり、少し日本人からしたら聞き慣れない英語に感じるかもしれません。
ただ、比較的ゆっくり話してくれる人が多いので、マルタ英語に慣れてしまった今、私はマルタ英語が一番理解できます。
もちろん英語が生まれたのはイギリスなので、「イギリス人の英語が正しい」と一般的には思われているかもしれませんが、私は正しい英語なんてないと思っています。
日本人が話すジャパニーズイングリッシュや、インド人が話す英語、オーストラリア英語、スコットランド人が話す英語、フィリピン英語などなど、世界中には本当に様々な英語が存在するので、私は「とにかく通じれば良い」と思っています!
もちろんイメージするネイティブのような発音には憧れていますので、いつかもっと英語を流暢に話したいとは思っています。
でも、大切なのはコミュニケーションをとるということ。マルタに来たら、「マルタ英語」というものを実際に聞いて、肌で感じてもらえたらと思います。
留学生活で使う英語は語学学校の先生や友達の影響大
マルタ英語には訛りがあるとお伝えして来ましたが、留学生の場合、実はマルタ人との交流って意外と多くないのです。なぜなら、語学学校の先生は必ずしもマルタ人とは限らないですし、クラスメイトにマルタ人は基本的にいません。
つまり、留学中によく耳にしたり実際にコミュニケーションをとる相手は、語学学校の先生と生徒が中心となります。なので、マルタ英語の訛りはそこまで気にしなくても良いかと思います。
語学学校の先生の英語は?
語学学校の先生は基本的には資格を持っていたり、トレーニングを受けているので、そこまで激しい訛りがある先生は多くないと思います。マルタ人の先生はもちろんイギリス人など語学学校の先生の国籍は様々です。
また、学習者が分かりやすいように話してくれるので、比較的理解もしやすいと思います。
私が印象に残っている先生は、やはりマルタ人の先生です。マルタでの美味しいレストランを教えてくれたり、お家での様子を教えてくれたり、マルタの文化や現地情報などを知ることができました。さらには、マルタ人の一般的な考え方などもその先生から学ぶことが出来たので、とても良かったなと思います。
2006年に初めて留学した時は、マルタ人の先生と親しくなり、お家も見学させてもらいました。マルタは国土が狭いので、すぐお家まで行けるのもある意味魅力かもしれません!
語学学校の生徒の英語は?
語学学校の生徒は本当に国籍は様々ですので、それこそバラエティ豊かな英語を聞くことができると思います。
私のクラスメイトは、イタリア人、トルコ人、コロンビア人、韓国人、フランス人、リビア人、カザフスタン人、オランダ人などなど本当に様々でした。
ジャパニーズイングリッシュもそうですが、それぞれの母語の影響を受けた英語を話しますので、最初は聞き取りにくいと感じるかもしれません。でも、それも英語の一種なんだと思うようになりました。
そして、クラスメイトの英語が聞き取りにくいということは、「私の英語も聞き取りにくいんだ!」と気付かされて、発音をもっとよくしないとと思うきっかけとなりました。生徒同士でもお互いに学ぶことが多いと思います。
また、クラスメイトやアパートが一緒の人たちとは、語学学校以外でも交流する機会が増えると思います。その中で使う英語が、留学生活で使う英語の基本となるはずです。
ですので、冒頭でもお伝えしたように、あまりマルタ英語の訛りのことを気にし過ぎす、マルタでの英語留学の環境面や条件などが合うなと感じたなら、是非マルタ留学を検討してもらえたら嬉しく思います!
【マルタ留学の魅力についてはこちらの記事でご紹介しています♪】
マルタ人と交流したい場合は?
マルタで留学生活を送る場合、語学学校の友人が中心となりマルタ人との交流は少ないとお伝えしてきました。それでは、実際にマルタ人と交流したい場合はどうすれば良いのでしょうか?
私なりに、マルタ人と交流するための方法をいくつかまとめてみました。
ホームステイをする
ホームステイでは必ずしもホストファミリーがマルタ人とは限りませんが、基本的にはマルタ人家庭が多いです。マルタの家の様子や家庭料理なども含め、よりマルタの文化を知りたい人にはお勧めです!
滞在先を決める時に、是非ホームステイも検討してみてください。
【マルタ留学における滞在先の特徴や魅力については、こちらの記事で紹介しています♪】
ローカルなレストランやカフェに行ってみる
観光客が少ないエリアのローカルなカフェや、「バンドクラブ」と呼ばれる地域に根付いたバンドクラブのためのレストランなどに行くと、現地の人が集まっているかもしれません。
大抵マルタ語で会話をしていると思うので、マルタ語がこんな感じなのかと言うことも分かると思います。
マルタ島の田舎Mgarr(イムジャー)という地域は、ウサギ料理で有名ですので、そこのレストランに足を運んでみるのもオススメです!マルタ人にも人気があり、ローカルで美味しいお店が、教会の周りにたくさんあります♪
あとは、ゴゾ島のローカルなお店に入るのもお勧めです!私も以前、教会近くのカフェに入ったら、近くに座っていた地元のおじいちゃんに話しかけられたことがありました。街中のベンチに座っていた時も、またまた別のおじいちゃんに話しかけられたりもしました…笑
ゴゾ島は人との距離がとても近い感じがします。
SNSなどで交流できるコミュニティに参加する
マルタ人がお店の情報を発信したり、ユーザー間で情報を交換したりするツールとして、facebookがよく使われています。メルカリのような中古品等の売り買いや、物件情報なども飛び交っています。
facebookのグループの中には、英語で交流するためのグループやスポーツのコミュニティなど様々あります。マルタ人に限らず、語学学校以外の環境まで交流を広げたい場合には、ぜひ活用してみると良いと思います!
【留学中の英語学習も大切!おすすめの勉強方法はこちらの記事で紹介しています♪】
まとめ
残念ながらマルタ英語には訛りがありますが、語学学校の先生と生徒との英語での交流がメインとなるので、そこまで気にする必要はありません!
もちろん、どっぷりマルタを知りたいという方はホームステイを選択してみたり、ローカルなお店にあえて行ってみたりと、色々工夫をしてみるのも良いでしょう。
個人的にはマルタ人のバイリンガルさは本当に素晴らしいと思っていますので、ぜひマルタ人の言語の使い分けを実際に見ていただけたらなと思います。
「私もマルタ人みたいに日本語も英語もペラペラになりたい!」
という大きなモチベーションに繋がるかもしれません。
皆さんのマルタでの英語留学が特別な時間になることを願っています。